詩集「30/60」について思うこと

詩集「30/60」について思うこと

  http://h-sage@sakura.ne.jp/rokujyu/      提箸 宏

 

 この六月三十日、第二詩集「30/ 60」(ろくじゅうぶんのさんじゅう)を出しました。
 第一詩集「風景画」を出したのが、ちょうど三十歳の誕生日、昨年の十二月三十日でちょうど六十歳になり、それから半年後に第二詩集を出しました。
 今回の詩集はWeb (インターネット)上で閲覧する詩集になっています。簡単に言うと、ひとつのホームベージが詩集になっています。ウィンンドウズパソコンでいうと、インターネットエクスプローラー等でホームページを見るように見ます。スマホ、タブレット端末でも全く同様です。でも、ガラケーと言われる携帯電話では残念ながら見ることはできません。そういう意味で言うと、この詩集を見られない方もいらっしゃるかもしれません。
 今回詩集を出すにあたって、当然、書籍で出版することは考えました。手元に、三十年前の第一詩集があり、時には手に取り開くことがあります。
 今回書籍で詩集を出した時のことを想定してみました。そこそこお金をかけ、数百部作成し、百から二百部ぐらい、県内外の、今まで同人として関わった方、詩集や詩誌を送っていただいた方、交流のある方、そして読んでいただきたい方等に贈呈し、あとは、今後新たに交流ができた人に贈呈するために取っておく。
 でも、「読んでもらえるのかなぁ」という不安は消えません。「詩集発行しましたよ」という記念ぐらいにしかならないんじゃないか。おそらく、かなりのお金を出して。
 もちろん、読むに耐える作品かどうかがまず第一であることは分かっています。書いていない時期の長かったこと、寡作なこと等も。それで、Webで出すことにしました。詩人に出版・印刷に関わる人が多くいらっしゃいますが、自分はコンピュータの仕事を長くやり、ホームベージを作る仕事もしています。ですから、紙からWeb へという時代の流れの一つでもあるだけなのです。
 でも、決して新しいわけではありません。縦書きにこだわっています。多くのホームページでは横書きで、詩作品等も発表されています。縦書きのものでも写真と同じようにイメージになっています。これは違います。スマホを、縦で見た時、横で見た時、見た目が異なるように行数の調整ができています。
 これを書いている今日、七月三十日、発行から、ちょうど一ヶ月になります。どのベージがどのくらい閲覧されているか日ごとにわかります。詩集が、どのように読まれるかを考えさせられます。そして、次の手の打ち方をも考えています。

(会報302号より)