第25回群馬詩人クラブ現代詩ライブ報告


詩のこれから         井上英明

 

 群馬詩人クラブ主催。現代詩ライブ「見る詩、聞く詩、奏でる詩 Ⅱ」が七月二二日、現代詩資料館「榛名まほろば」で開催された。
 「まほろば」の喫茶室に三四人が集い、うち三二名が舞台に立ったのだが内容は今までになく多彩であったと言える。最初の朗読者は、真中てるよ氏であり、絵本の読み聞かせであった。詩にとらわれない感性であると思う。鵤木晋一氏の軽妙な詩は会場を和やかにした。中澤睦士は井上敬二のギターで現代詩を好きになったきっかけのひとつであるという歌を歌い、さらに井上敬二は自作の詩に曲をつけ、ギターの弾き語りをした。松本茂晴は祭囃子の横笛を吹き、奥様が松本の詩を朗読した。富沢智は奥様のベースの演奏に乗せてコミカルな詩を朗読した。関口将夫の朗読で終演となったが、詩を暗唱していたのは関口だけであり、それは詩に対する関口の責任の取り方だと思われた。
 好きな詩人の詩、詩を書くことへ背中を押してくれた詩、自作を読む人と色々であったが、言葉にしなければ存在しない自らの詩の世界をそれぞれが披歴した。それが伝わる会場の大きさでもあった。
 詩は、文字のない時代から時には楽曲や舞踏を伴い、あるいは朗々と歌い民衆の心を揺さぶってきた。今回それが継承されていることを実感した。では明日は何を成すべきか。

(会報302号より)