季刊『詩的現代』(第二次)について


 季刊『詩的現代』(第二次)は、第一次のそれがそうであったように、全国的な組織の会員雑誌である。同人誌でもなければ、群馬の詩誌でもない。できれば、発行所は、第一次のそれがそうであったように、東京かどこかに置きたかったが、呼びかけ人の樋口武二さんも私も、たまたま群馬に住んでいたので仕方がなかった。いや、樋口さんも私も、それぞれに故郷の群馬に対する思いはあるが、それとこれとは別である。もちろん、事情を知らない人が、『詩的現代』を同人誌であり、群馬の詩誌だと思うのは仕方がないし、まあ、どうでもいいことかもしれない。
 ただ、『詩的現代』がことさらに「季刊」をうたっていることの意味は重い。なお私たちは、一定のボリュームで、それをきちんと守ってきた。私たちに、ことさらな主張はないが、私たち自身の表現の場を確保するための努力だけはしてきたという自負はある。この「ことさらな主張がない」という言葉を取り上げ、あざけ喘うような文章を書いた方がいたが、ことの本質が分からない人は、どこの世界にでもいるものだ。(文責・愛敬浩一)
  補遺
 現在のものは「第二次」であり、復刊は二〇一二年五月である。第一次は一九八〇年の二月〜一九八七年の五月であった。第二次創刊には手間取り、発刊までには一年近い時間が必要だった。「季刊」ということや、「ゆるいネットワーク」、「何ものにも縛られない自由な場(誌面)」となどに固執したからでもある。
 因みに、第一次の創刊時と終刊時の顔ぶれを記しておく。創刊時は「戸谷崗・永井孝史・倉尾勉・吉岡良一」の編集委員。発行所は茅ヶ崎の「難波保明」方であり、印刷は世田谷の「七月堂」となっている。終刊時は「鈴木比佐雄・愛敬浩一・佐藤榮市・野村喜和夫」の編集委員、発行所は柏市の「鈴木比佐雄」方、印刷は東田印刷である。
 現状(第二次)は毎号特集を組み、二百頁を超す体裁で季刊発行をつづけている。まさに、「何ものにも縛られぬ定期的な発表の場」として維持されている。会員は、北海道から九州まで34名、事務局(発行所)は富岡市、編集部は伊勢崎市に置かれている。現在の会員名を記すべきとも思ったが、省略させて頂くことにした。(この項につき文責・樋口)
(会報297号より)